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2010Le7Dimanch~エティエンヌ・エ・セバスチャン・リフォー~

ーとうとう最後の蔵訪問です。
若きロワールの革命児・・・そのアグレッシブルな意欲とは裏腹に
優しい瞳と物静かな雰囲気、たっぷり蓄えた口髭が印象的なセバスチャン。

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ーとねずみ男(笑)

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このサンセールの地でセバスチャンは2000年から
そして以前はクラッシックなワイン造りをしていた父親、エティエンヌも2004年から
完全ビオディナミに移行。

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このシレックスの土壌を最大限に活かした葡萄造り。
この土地の特性を良く理解しているセバスチャンは、葡萄をあまり触らず自然に付けさせるのだそうです。決してさぼっているわけではありません。
ヴァンダンジュ・ヴェールトの様な事をあまりせずとも、
もともとほっておいても収量が少なくなるのです。

彼の畑は大括りで3つの区画に分かれています。
それぞれの土壌を熟知し、そのテロワールを見事に反映させています。

婚約者の彼女がリトアニア人との事で、その3区画をリトアニア語になぞらえています。
セバスチャンのワィンのキュベ名が耳慣れない言葉だったのは、その為だったんですね。

例えば「スケヴェルドラ」ー最初に見せてもらった区画。
リトアニア語で、火打石を擦った時に出る「火花」と言う意味。

「アクメニネ」-2番目に見せてもらった区画。
石からくる「鉄分」を意味します。

そして最後の急斜面の区画。
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「オキシニス」-その名も「ゴールド」
正に黄金の丘・・・と言うか崖に近い!
ただ降りていくだけで、極寒にも関わらずひと汗かく程「ゼイゼイ」言う傾斜。

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ここで行われる作業の大変さ、容易に想像出来ます。

そして・・・

セバスチャンの強い味方がここにも勿論!
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9生産者の取りを飾るにふさわしい、素晴らしく美しい景色に囲まれた
セバスチャンの畑、
大好きな彼のワインを生み出すこの大地に立てて、やっぱり感動せずにはいれませんでした。

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場所を醸造所へ移し、バレルテイスティング。
私達が数種テイスティングしていると、息子の事が気になってかお父さんのエティエンヌが
登場(笑)
写真が無くて残念!

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新たにセバスチャンの名が加えられた醸造所の壁。

この後最後のお楽しみ 若きセバスチャンのマダムと一緒に、デジュネとワインテイスティング。

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こじんまりとした、清潔感のある可愛らしいお家。

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若くて美人のマダム。

お料理は、どれも素朴でシンプルな味付け。
ーなのに、お箸が(フォークが)止まらない美味しさ。

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勿論、ワインも本気飲みでいただきました(笑)

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セバスチャンのワインは素晴らしい。
でも、親子2代のワインを飲み比べると、
やはりエティエンヌのワインがあったからこそ、
「セバスチャン・リフォー」が誕生したんだと感じました。

自然派ワインを語るのは難しいです。
ただ、自分の言葉で理解していく事は出来る・・・。
今回訪問した9生産者それぞれのワイン造りの形。
その中に、「自然派ワインの宇宙」の縮図の様なものを垣間見ました。
自分なりの理解、今後も勉強し続けたいと思います。

結局1年かかってしまいましたが、
なんとか「2010年フランス記」
以上で完結致します!

長い間、くじけそうな時にコメント入れて応援して下さったり、
「見てるよ~」と声をかけて下さった希少な読者の皆様に
心より感謝致します。

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                     Merci beaucoup!!!

# by matsukenshokudou | 2011-01-19 15:23 | 2010 france  

2011年 始動

明けましておめでとうございます!
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寒さ落ち着き、曇天の仕事始めですが^^

今年は「チャレンジ」
を合言葉に、様々な事に挑戦し、新しい発見を楽しめる1年を目指します。

マツケン食堂、スタッフ共々宜しくお願い申し上げます!!


                      松本賢司・有賀康博・小原純子

# by matsukenshokudou | 2011-01-05 15:29 | お店のこと  

2010年~感謝の1年~

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スタッフJです。
沢山のお客様に支えて頂き、
マツケン食堂は2年目の春を目指します。
この1年、応援して下さった方々に心より感謝いたします。

2011年も、益々「楽しい、美味しい」を追求し
より良いお店になる様に努力して参ります。
どうぞ来年も宜しくお願い申し上げます。


ー追伸 年内にブログアップを目標にしてきた「2010フランス記」を、
叶える事が出来なかった事・・・深くお詫び致します・・・。


            松本賢司・有賀康博・小原純子

# by matsukenshokudou | 2010-12-31 00:43 | お店のこと  

le 7 Dimanche ~アレクサンドル・バン~

とうとう
ロワール蔵訪問ツアー最終日。

雨、上がりたての中ー
プイィフュメの新星アレクサンドルを訪ねます。
朝からテンション高く、大歓迎ぶりを見せてくれ、
畑見学にも熱がこもりー
1時間半は畑に滞在したような(笑)

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Mオジェは勿論、この後訪問予定のセバスチャン・リフォーーとの親交の熱い、
今まさにこのプイィフュメの地で、必ず次世代を代表するであろうと言われる
期待の新星です。

彼も例に洩れず、畑での作業に費やす時間を厭わない。
そして何より、自分の造ったワインの味わいを、そしてそのワイン造りを一人でも多くの人に知ってもらいたい・・・!
その意気込みたるや、なにせこの訪問日は日曜日。
ー本来なら家族と過ごす大事な日にも関わらず、朝早くから笑顔で大手を振って歓迎してくれました。

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畑の至る所に、無造作に掘り出され転がっている石灰岩。
この岩盤が畑の水捌けを良くさせ、
昼は太陽熱を反射させ、畑への日光の供給を助け、
夜は保温効果を持つー
プイィフュメの地に無くてはならない「宝」。

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繊細な葡萄がかかりやすい「エスカ」と言われる病気。
ソーヴィニヨンブランに多く見られるそうです。
枝を折って乾いた茶色になっているとアウト。

病気を見分ける為に、枝を丹念に調べ弱っている木には接ぎ木を施す・・・。

正に、親です。
可愛い子供たちを大事に大事に育てるアレクサンドル。

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「こんな風にねー」と実演を兼ねて熱心に解説してくれました。


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愛馬でアレクサンドルの仕事のパートナーでもある"フェノメン"
とっても懐いてました。
「馬の扱い方をオジェに教わっているんだよ」-と、笑顔で語るアレクサンドル。


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小さいながらも衛生的な設備を整え、
収穫後の葡萄を傷つけない様に、細心の配慮を怠りません。

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澱との接触を多くする為の卵型タンク。
将来的には全て樽発酵させたいそうですが、樽一つ、決して安くはありません。

葡萄、ワイン造りの経験こそ豊富ですが、
ドメーヌ自体は2007年からスタートしたばかり。
セラーに蓄えたワインもまだほんの数樽ですが、
この一樽一樽には、アレクサンドルの熱い大きな情熱が一杯つまっています。

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牛の角に詰め、土中に置いて作った堆肥や古樽にこだわるアレクサンドル。
穏やかで雑味のないワインに仕上げる為だそうです。
彼のワインは、ビオディナミ特有の葡萄の素朴な味わいを残しつつ
その味わいには洗練されたクリーンさを感じます。

正に「新世代のビオディナミスト」。
今回の旅で最も感じていた、
「自然派ワイン」とは・・・?の
「?」の部分が少し見えかけてきた様な、
彼の蔵訪問は、とても印象深いものになりました。

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素晴らしい訪問に歓喜の思いを告げ、
最後の蔵、セバスチャン・リフォーに向け出発ですー。

# by matsukenshokudou | 2010-12-29 15:26 | 2010 france  

Le6 Samdi~ミシェル・オジェ再訪~

わたくしJは2年振りの再訪。
前回、テンションが上がり過ぎて感じ取れなかったもの。
感じ取れるかな~・・・。

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彼の蔵訪問はまずは何を置いても、畑、土に触れる事から始まります。

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2年前の初訪問の際、
この畑を目を閉じて、何も喋らず、あちらまで歩きましょう。
ーとオジェ氏に促され 歩いた事を思い出します。

彼曰く、この場所には特別な空気が流れ、地上のエネルギーがみなぎっているーと。


その時には正直「・・・う~ん・・凡人の私にはそのエネルギーが感じ取れない・・」
というのが本音でしたが、
今回の訪問で自分なりにですが、この「オジェの神聖な場所」
の意味する所・・・少しだけ分かった様な気がします。

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それは・・・
この場所が特別なのは

オジェがこの地に注ぐ愛情。

畑に近隣からの農薬がかからない様に、周りを木々で囲み
風が通る様に道を造り
土の微生物を殺さない畑仕事に徹し。

生命、土、風、空気ー
それらと一番近い所で生きるヴィニュロンの彼が、ここに居るからこそ

「この畑は神聖な場所」
で有り続けられるのです。

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オジェの蔵には、愛が溢れています。

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思わずマツケンさんも・・・(笑)

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オジェの大事な家族達との対面の後、可愛らしいテイスティングルームへー。

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2年前にテイスティングして、その場にいた皆が口を揃えて
「ブルゴーニュのピノやん!!!」
と興奮した'02エルドロー・・・。

その'02に近い熟成を果たすと言う'07エルドローの試飲も含め 約10種以上を試飲。

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今回の訪問で、J.Pロビノと同じくオジェも試みていました。
'03ヴィンテージのソーヴィニヨンブラン
ー澱と共に樽底に残った5~6ℓのものを合わせて5年熟成。
更に瓶内にて1年熟成。

ワイン造りの過程に於いて出来た、新たな副産物を決して無駄にする事無く、
有効に活用して更に新たな物を造り出すー
このサイクル。正にオジェがビオディナミストである所以なのでしょう。


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陽が傾く頃、畑を後にし車で数分離れた、石切り場跡のカーヴへー


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幻想的なカーヴの中・・・クラッシックが流れます。
勿論、ワインへの胎教だそうです。

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至る所に、割とサクっと、
こんな感じで置かれていたり(笑)

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カーヴの中は迷路の様に通路が入り組んでいて、所有者のオジェでさえ
「奥までは言った事が無い」
迷い込んだら本気でやばそうな、一歩先は真っ暗闇。
ちょっとお茶目に「探検しよう」とオジェ。
いやほんと、ほんの数分懐中電灯の灯頼りに歩きましたが・・・
真っ暗って、頭痛くなりますね。

やっぱり生命には光が必要と、切実に感じました!

だってーほんと、こんなんですよ。

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オジェのワイン造り、味わいには確かに賛否はあるでしょう。
ただ、私なぞの想像を遙かに越える所に
「ミッシェル・オジェの真意」は有るのだと思います。

ただ、単純に
私は彼の造る
エルドローとスアヴィニヨンが大好きです。

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# by matsukenshokudou | 2010-12-23 15:15 | 2010 france